●ヘルニアについて
椎間板ヘルニアについて解説していきます。
一般的には椎間板の水分・ショックアブゾーバーの役割が失われ、椎間板が圧迫されることでその椎間板が飛び出す(ヘルニア)ことが原因といわれています。
これは間違いではありませんが、原因の解説ではなく現象面を表現しているにすぎません。
また、椎間板が圧迫される原因として、姿勢不良、筋力不足、老化等と言われていますが、これらもあいまいな表現で的を得ているとはとても言えません。
何よりも最も考慮しなくてはならないのが心因性つまり「ストレス」です。この要素を抜きには本質を得ていませんし、症状の対処にはつながりません。このストレスが最も大きな割合を占める原因だからです。
ストレスを感じ続ける、気持ちが切り替わらない、思い悩む、憂い、悲しむ、イライラする・・様々な感情が頻繁かつ継続すると確実に身体の自律神経系は交感神経優位に傾きます。
交感神経優位な状態が続くと・・、
呼吸が浅くなる、筋肉の緊張が続く、ホルモン機能(内分泌系)異常が起こる、そのホルモン異常によって特に「糖化」がおこる、血流不全が起こる(冷える)、その血流不全によって代謝不全(軟骨形成に関る細胞の新陳代謝など)も生じる、また冷えによって身体各所へ酸素や栄養を送り込もうと働き出すので過剰な血液供給として「炎症」=痛みも生じてきます。更にその炎症は活性酸素として周辺の細胞も傷つけ、それらを補修しようとコレステロールも肝臓から生産され増量します。
ストレスは誰でも感じるとはよく耳にしますが、このように自律神経系、内分泌系にまで影響を及ぼす、つまり身体の恒常性にまで影響を与えバランスを欠くほどストレス感情が頻繁だったり継続するか否かは個人差がかなりあるのです。
また、そのようなストレス感情下、甘いものを継続的に食せば身体は糖化を起こし血管のしなやかさを失わせ、関節軟骨なども石灰化を起こします。アルコールを継続的に摂取すれば肝臓は炎症を起こし、その炎症を抑えようと副腎からのステロイドホルモン分泌過剰を引き起こし、それもまた糖化を招いたり炎症=痛みを抑えられない、節々の炎症が継続します。疲労物質を分解するのも肝臓なので、肝臓の慢性疲労により、疲労物質がいつまでも血管内に滞留し、筋肉のしなやかさを失わせ、背骨も圧迫します。薬を服用し続ければ、身体は根本から冷え、血流や代謝不全を招き軟骨形成を阻んだり、腎臓や肝臓にも勿論負担をかけ続けます。
このようにストレス感情の継続下、間違えた飲食や薬の服用習慣がミックスされ、身体はますます交感神経が優位な状態が継続し、内臓不良も加速されます。
例えば軟骨の形成はビタミンDが大きな役割を担いますがその代謝を促すのは腎臓であり、背骨や軟骨形成、関節は腎臓の働きが大きく担います。
東洋医学では不思議と3000年前から腎は骨・脊髄、肝は筋肉、ときちんと理解されていました。その概念に対して西洋医学が合理的に解説できるようになって来たのですね、近年。
ですから、腎臓の働きも考慮に入れるなら、普段から天然水の摂取が必要となります。麦茶、スポーツドリンク、ジュースなどは腎臓のろ過機能に関しては結局不純物なので負担をかけるだけです。そうなると血液の粘性が高まったり、薬同様、腎機能低下を招き、やはり背骨を硬くします。スポーツドリンクは砂糖の含有が多すぎて(スティックシュガー11本分)、血糖値を乱したり、腎臓に負担をかけ続け、普段の水分摂取にもスポーツ時の水分補給にも全く適しません。
このようにストレス感情継続下、いつも以上に腎臓と肝臓は注意して養生しなければならないのです。また、甘いものや果物は糖化を招き、リンパ球の働きを抑制するので、リウマチやO脚、外反母趾、股関節疾患などに見られるように関節の変形を生じ、さらに腫瘍や筋腫の決定的な要因になります。この場合、脾臓がダメージを受けます。
オリンピックでアスリートを見ていても、直前に怪我をしたとか、腱を痛めていた、とか腰痛が再発したとかの情報を耳にしますが、それもとどのつまりプレッシャーからくるストレス継続→内分泌系、自律神経系の乱れ→内臓や代謝不良などからくる故障なのです。怪我もしやくすなるのです。アスリートだから特別な考え方や特殊な対応が必要なんてことは無いのです。結局はストレスと飲食のクオリティです。全く一般人の不定愁訴と同じメカニズムであり基本は一緒なのですね。少なくとも彼らはスポーツをやめれば健康に戻る(笑)。
もう一度まとめますと、ヘルニアになる原因は、姿勢不良や筋肉の緊張などは症状を増長させる要素に過ぎず、あくまで心因性=ストレスが8割以上の原因を占めること(どんな病気もそうですが)。
それによって自律神経系や内分泌系異常が起こることで血行不良、筋肉緊張、代謝不全、内臓不良(腎臓、肝臓、脾臓など)を招くことで脊椎の湾曲を乱し、軟骨形成不全を生じることでヘルニアになる、ということです。姿勢不良や筋力不足以上に間違えた飲食習慣(甘いものやアルコール、たんぱく質不足、炭水化物過多)や薬の服用の方が症状を増長させることも改めて付け加えておきます。また、長時間の冷房下、座位の姿勢でいることも増長させる大きな要因です。
老化という見解は全く的外れです。老化による水分の不足によって軟骨はヘルニアとして飛び出すのではなく、高齢者の場合、圧迫骨折を招いてしまいます。ヘルニアにはなりません。
ヘルニアの場合、腰椎や骨盤をニュートラルに戻す矯正も行いますが、前述のメンタルヘルスや食生活の改善による内臓負担軽減をはかる指導、そして内臓や自律神経の反射ラインである東洋医学の経絡施術が大きな効果を発揮します。
最近のコメント